踏み切りに出会ったら必ず轢かれる
という条件で
今日も知らない場所へ散歩に出かけた。
ねぇ、笑っちゃうよ
今まで私の必死に生きた人生、全部 偶然あらわれる踏み切りにかかってるんだ。
なんて自由なんだろう。
もっと生と死はただの運だって感じたい
そうでもしなきゃ
この辛さの理由を僕は探し始めてしまうから。
君の死んだ意味が見つけられなかったように
僕も生きる意味がみつけられない
だからもっと 、ただの運なんだって
意味とかじゃなくてただの運なんだって
希望いっぱいの糖衣を
レモンティーで流し込んで
口の中でラムネ菓子みたいに
苦味がはじける前に ただただつめこんで
ああなんてハッピーエンドなんだろう。
神様があの子を殺したからだよ。
私あの子がいたらまだ生きれたよ。
私の体は たくさんの人に触られた手垢がこびり付いているみたいで、
髪を切っても 血を流しても
自分からは離れられないの。
好きな小説にね
『 津奈木はいいなぁ、私と別れられて。
私は私と別れられないのに。』
って台詞があるの。
なんでみんな生きていられるの。
あの物語はああやって終えたけれど あんなんじゃ書いても書いても描き足りないよ。
きっと知らない駅がもうすぐ見つかる。
あのね、大事なものが形で残らないんだ。
そうじゃないんだ。
あのこぼれ星ですら 目を瞑ったら
僕の傍にはもう居ないんだ。
なんにも、もう、形を、描いて、もう、
辛い理由なんてなんだっていいから
ただ辛いんだ。
4歳の時から死にたくて死にたくて
ずっとマイナスで
毎回失敗して
必死に生きて探して見つけて
今ゼロになって
でもこれからプラスになってそれで何になるの。
生きる喜びを見つけたところでなにになるの
明日が楽しいって思いながら布団に入れたところで何になるの。
あ、踏み切り。じゃあね。
なんて詩を部屋のあたたかなリビングで今私は書いてるんだ。
笑っちゃうでしょう?
瓶の中の糖衣錠は夏の色をしていたの。
探していたものがそこにあると思ったの。