その言の葉は
溢れる塩の瓶だった
その言の葉は
殺める君の綱だった
その言の葉は
流れる星の水だった
その言の葉は
優しい菜っ葉の茎だった
その言の葉は
君を隠す色とりどりの筆だった
僕に、食める風の盗作をどうかどうか。
何度も塗り直すための心のペンキをどうかどうか。
唇に軽く塗ったワセリンを彷彿させる君のうたは
あたしの心に空気をいれた。
あたしに打ち込まれた銃の鉛玉は
あなたを守るための勾玉だったのですよと
語る笑みの仮面の先で
君はやっとやっと僕の心の色を
そっとその絵墨でいとも簡単にあらわした。
ああ なんてことだろうか君は
あたしの雪でぐちゃぐちゃにしてあげようか。